ジャカルタの東方に伸びる高速沿いには、ブカシ、チカラン、カラワンと工業団地が点在します。


昨年秋に訪れたのは、その方面にあるローカル御用達の置屋街テンダ・ビル。
地元民はTBと呼びます。


昨春、ブカシからチカランに移動するタクシーの車内で、運転手がそういう場所の存在を話していました。


その置屋街をご存知だというS様の短期ご出張に合わせて私の日程を組んで、現地でご同行頂いた次第。

20150418

交通量の多い幹線道路から、車がすれ違いできないような細道に折れます。


奥へ数百m進み、車を降りて、そこからは徒歩。
周囲は完全な住宅街。それも低所得者層がひしめいているエリアです。


まともな大きさの一軒家など見当たらず、エアコンもないであろう小さな家々の内部は、道から見えてしまいます。


当然そんな場所に日本人が二人、連れ立っていれば、道端に座っているジモティが好奇の視線を浴びせてきます。


車1台も通れない幅の細道をクネクネと曲がり、ようやく置屋街の入口にたどり着きました。


S様がスマホで現在地を確認しながら案内して下さらなければ、私ひとりでは途方に暮れたことでしょう。


遮断機の代わり?と思われる、横木を跨いで闇の先へ。


路地の両側、軒先に小さな赤色の電灯が連なって下がる光景は、まさに私のイメージする、昔の日本の【赤線地帯】です。


なんと申しますか、これまで訪れたローカル置屋地帯のなかでもいちばん【風情】 を感じます。


奥へ奥へと200m以上続く道すがら、カラオケの体裁をなすルコの店先には、1~4名の尾根遺産。


全部で50軒以上はあったと思うので、1軒2名として、それでも100名超の選択肢があるわけです。


トレテスに比べると各ルコはずっと小さくて、今は亡きスラバヤのドリーよりも小さくて、一番近いイメージとしては、バリ島のアサマンあたりか。


しかしジョグジャカルタのGANG3のような陰湿さは全然無くて、座っている尾根遺産も、パッと見で20歳前後からOVER30まで多彩。


ただし小さな赤色電球だけなので、立ち止まって顔を近づけないと美醜の判別がつきません。


それでも平均して5名に1名くらいは 《なかなかじゃん!》なレベル。奥へ行くほど、年齢が上がりレベルが落ちる印象。

平日の21時過ぎ。私たち以外に物色している男性客の姿はありません。

だからでしょうか、時折、積極的な尾根遺産が営業スマイルで我々の前に立ち塞がり、「ミヌム?」(=飲んでく?) と誘ってきます。


GANG3ではほぼ全員が、スマホいじりしているか、下を向いてこちらの顔を見ようともしませんでしたが、ここでは 「マラ~ム」(=こんばんは)なんて声もかかります。


スマホいじりしているのはごく一部で、そこは好印象。AWAY感はさほどでもありません。


ビール3万Rpよ! とは言いますが、「チキチキはいくら?」 と尋ねても答えてくれません。


まず飲み物を注文するのが必須で、飲みながら交渉。
これはチカンペックの先、国道1号沿いのパントゥラと一緒です。


1名だけ「50万Rp」とフッかけてきた尾根遺産がいましたが、「高い!信じられない」 と去ろうとしたら、すぐ30万に値下げ。


S様のドライバー氏によれば、ローカルが遊ぶ場合、飲み物代で10万くらい(尾根遺産分も含め)、チキチキは以前は10万だったものの、今は15万だろう、と。


外国人価格だとして、交渉で20万 程度でしょうか。こんな辺鄙な場所に来る外国人が、そういるとは思えませんが。


でもトータルで30万払うなら、ジャカルタの清潔な店で遊ぶでしょう?
手桶で洗い、ダニに咬まれながらの一戦よりも。


飲まずに即決10万ポッキリ! とかなら、考えなくもありません。GANG3とか、スマランのミニ・ドリーよりもレベルは高そうなので。


S様、その節は大変お世話になりありがとうございました。
動画も撮影したのですが、暗すぎるのとブレまくりで鑑賞に耐えません。すみません・・・・