スラバヤ市長の意向を、当のドリー関係者はどう受け止めているのか。

それを肌感覚で知りたかったので、単身ドリーに。


今回は手帳を持参し、事前に現地語を書いておいて見せました。


質問:市長が全売春施設を年内に閉鎖、と言っていますが、あなたの考えに近いのは、次のどれですか?


1=そんなの無理さ!絶対に続けるよ。
2=まぁ、なるようになるさ。出来るだけ続けようと思うけど。
3=どうしたらよいのやら。まだ考えていない。
4=もう止めると決めている。


D1

で、ドリーの端からスタート。置屋の前にいる男性に「日本から来たライターですが、マネジャーさんですか?ちょっと質問していいですか?」と。


面倒くさがって答えてくれない人を除いて、みな1番だと即答。4人連続、同様でした。


彼らにしてみれば、「じゃあ俺たちはどうやって食っていけっていうんだ?」
「これしか仕事はないんだ!」という感じなのでしょう。


あと1,2名で止めようかな、もう・・・


そう思いながらバーバラ付近の路傍で手帳を見せていたら、何をやっているんだ? と思われたようで、いつの間にか5,6人の若い男に囲まれてしまいました。


なかに1人、物凄く目つきの悪い奴がいて、質問中なのに私の手帳を取り上げ、一読すると、勝手に 『閉店は不可能』 と書きこんで、「そんなことより、オンナを見に入れよ!」と。


「いや、今日は仕事で来ているから・・・」と遠慮したら「じゃあ、質問に答えてやったんだから、チップを寄越せ!俺は腹が減っているんだ!」と睨んできました。


ヤ・バ・イ!!


目立ち過ぎてしまったようです。


普段、お客として歩いているぶんには、別段危なくもないドリー。
しかし、客ではないとわかると、態度が違うんですね。


「OK! makan saja na!」(食事代だけ、ネ)と明るく振舞って2万Rpを渡し、すぐに踵を返して立ち去りました。
ふうぅぅぅ。


これまでにもスラバヤでは、何度か関係者による市長への抗議デモが起きているそう。


「尾根遺産たちに職業教育を施せば、それで食えるはず」
市長はそう考えたのでしょうが、じゃあ風俗業界に従事する男性たちは?


彼らにだって、家族はいます。さらにドリー界隈の衣装店、飲食店はどうなります?


裁縫技術などを教えているようですが、裁縫工の人数が膨大に増えたら、工賃は当然下がるし、そんなに仕事量があるはずもない ⇒ 結局、食えない。


ドリーだけが閉鎖を免れることは考えにくいので、市長は強硬に閉鎖にもっていくでしょうが、膨大な失業者を生み、また減収者を生むでしょう。


結果、景気も治安も悪化の一途、になりませんかね。


アジアの潮流は風俗業の縮小化ですが、最近ヨーロッパでは合法化、拡大の動きが加速している、と読みました。


そういえば昨年、スイスのチューリッヒで、【ドライブスルー】形式の売春施設を【市が】作りましたね。売春を禁止するのではなく、市が場所を管理するのです。


スラバヤ市長も、スイスやドイツ、オランダなどに視察に行って「今の潮流は違うんだ」と学んでくれたらいいのに。